1981年から2002年まで放送された人気ドラマ「北の国から」シリーズで男でひとつで子育てをする主人公・黒板五郎を演じ、一躍国民的俳優になられた田中邦衛(たなか くにえ)さんが、3月24日午前11時24分に亡くなっていたことが4月2日発表されました。
亡くなった原因や人気ドラマ「北の国から」シリーズなど若い頃の活躍、最近の様子についてまとめてみました。
田中邦衛さんは享年88歳。原因は何だった?ずっと体調悪かった?
田中邦衛さんの死因は老衰だったと報道されています。
2010年公開の映画「最後の忠臣蔵」に出演後、表舞台から遠ざかっていました。
2012年頃からは、隠居生活で家族で介助できていたようですが、2015年頃からは要介護になり、自宅から車で20分ほどの有料老人ホームに入居されていたといいます。その頃には一人では歩行もできず、施設内でも車椅子で生活されていました。
「自分でできることがひとつひとつできなくなっていった」といい、全てに介助が必要で、食事なども摂りにくくなっていたほどだそうです。
ただ、意識はしっかりしていたそうなのでなかなか苦しい思いをされていたのではないかと思います。
そして2017年からは自宅に戻り、リハビリ生活を送っていたそうです。
またずいぶん前から「もう人前には出ない」と公言されていたようで、衰えゆく姿を見せたくなかったのではないかと想像できます。
長い間体調を崩されていたようなので、ご本人にしかわからない葛藤もたくさんあったと思います。
そんな状況の中、奥さんや娘さんはいつも側で支えてくれていたそうです。リハビリや辛いことがっても彼女たちの存在で頑張れていたのかもしれませんね。
田中邦衛の若い頃の活躍!
田中邦衛さんは麗沢短期大学に進学したことをきっかけに、在学中、芝居に夢中になったそうです。
田中邦衛さんは「俳優座」養成所の試験に3回挑戦されています。
大学在学時代に2回挑戦されていますが、2年連続不合格となり、大学卒業後は一度、故郷の岐阜県で中学校の代用教員として、就職されています。
しかし、教育者としての自信がなく、教師を辞めようと思っていた時に、一度諦めた俳優の道に進もうと決意されたそうです。
そして、1955年3度目となる「俳優座」養成所の試験に見事合格。養成所7期生として俳優への第一歩を踏み出しました。
「俳優座」養成所で演技を学んだ田中邦衛さんは、1957年に映画「純愛物語」でデビューすると、1958年には、「俳優座」座員に昇格。
元々映画俳優志望だったため、仲間たちに引き止められながらも夢を叶えるため、映画の世界に行くことを決めたそうです。
1961年には、東宝映画「大学の若大将」では、若大将のライバル・青大将を演じ、その演技を認められ、「若大将シリーズ」のレギュラーになります。
1965年には、出演したフジテレビドラマ「若者たち」が映画化され、第22回毎日映画コンクール男優主演賞を受賞。
1973年から始まった「仁義なき戦いシリーズ」では、今までのイメージを一新するずる賢いヤクザを演じ、以降東映作品のバイブレイヤーとして活躍しています。
その後、1981年から放送のドラマ「北の国から」で2人の子供を温かく見守る父親役を演じ、全国的に知られるようになっていったのでした。
田中邦衛さんのアクの強い風貌から若いころはアクション映画で、チンピラや殺し屋を多く演じていたことに驚きました。「北の国から」でのイメージが強いからでしょうか…。
全然違った役柄を演じ、心に残る演技をしてきたからこそ、田中邦衛さんは今もなおたくさんの方に愛されているのかもしれませんね。
田中邦衛の代表作「北の国から」「若大将シリーズ」ってどんな作品?
みなさん一度は耳にしたことがあるであろう「北の国から」シリーズ。モノマネなどでテレビで見る機会もあったと思います。そんな田中邦衛さんの代表作を紹介していきたいと思います。
「北の国から」
1981年フジテレビで放送されたテレビドラマです。
ドラマスペシャルとしてシリーズ化され、1983年~2002年まで8編のスペシャルドラマが放送されています。
主人公・黒板五郎が妻の令子が家を出たことから東京にいるのが嫌になり、故郷の北海道・富良野の自然豊かな中で2人の子供、純と蛍を男手一つで育てる家族の物語です。
黒板五郎と2人の子供の成長が21年間にわたり描かれています。
様々な葛藤がある中、厳しさと温かさの両面を持つ父親役として子供を見守り育てていくそんな姿で田中邦衛さんの名前は多くの人に知られていきました。
「若大将シリーズ」
1961年~1971年まで全17作から構成される加山雄三主演の青春映画シリーズ。
高度経済成長期の大学生の恋とスポーツを描いた映画で、田中邦衛さんは加山さん演じる若大将のライバル・青大将役を演じています。
お金の力でモテようとするもいつも若大将に敵わない…そんな役をコミカルに演じたことで一躍、脚光を浴びました。
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「北の国から」は日本を代表する名作です。
真面目で情けない田中邦衛さんの性格が配役の決め手になったと脚本家の倉本聰さんは語っています。
うつむき加減で寂しげな表情がたまらなく、田中邦衛の黒板五郎なのか、黒板五郎の田中邦衛なのかわからないくらいセリフに命を吹き込み、まるで実在の人物のような黒板五郎を演じた田中邦衛さんの演技は今もなお多くの人の心に残っています。
厳しくも温かいお父さんの姿は、今でも忘れられません。
放送当時ドラマを観ていた方も、まだ観たことない方も、この機会にぜひ観てみてください!
「若大将シリーズ」については今のところ無料で視聴できるサイトは見つかりませんでした。
そういえば最近テレビで観ていなかった…視聴者の意見まとめ
田中邦衛さんの訃報に対して、ニュースを見た視聴者さんたちからは、たくさんの意見が聞かれました。その中でも多かったのが、「『北の国から』を見ていたのでとてもびっくりしました」というものでした。
放送開始から20年以上経ってもなお、年齢、性別関係なく、たくさんの方の記憶に残る作品「北の国から」。
このドラマを語るには欠かせない、田中邦衛さんの個性的で愛される演技力。もうそれが過去の作品でしか見れないと思うととても寂しく感じます。
改めて、「北の国から」、そして田中邦衛さんがどれほど素晴らしい俳優さんであったかを実感する機会となりました。
心からご冥福をお祈りいたします。
プロフィール
本名 田中邦衛
1932年11月23日生まれ
岐阜県土岐郡土岐津町(現土岐市)出身
1955年に俳優座養成所に入所し、1957年に映画「純愛物語」に初出演。
1961年「若大将シリーズ」で主人公のライバル青大将役を好演し、以来映画・テレビドラマで幅広く活躍。
2010年頃から俳優として表舞台から遠ざかる。
2021年3月24日死去
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